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LUXKIT A3500 管球式ステレオパワーアンプ を購入 [オーディオ・ビデオ]

A3500_シャーシ.jpgLUXKIT A3500 管球式ステレオパワーアンプ を購入しました。[るんるん]
アンプとはいっても、シャーシー/ボンネットと電源トランス(S-1757)、チョークトランス(C-1744、0.9H 260mA)と、小物機構部品だけです。
まあ、フルレストアというより、新規製作と同じですが、シャーシーの穴あけをしないで済むぐらいがメリットです(写真・右)。
KMQ60なども検討しましたが、50CA10真空管は入手が非常に困難なため、パスしました。他の真空管に入れ替える場合、ヒータートランスが必要になります。

お約束の、カップリングコンデンサーは、Orange Drop 716P、
抵抗は、今回は、アーレン ブラッドレー(Allen Bradley)カーボン抵抗、

LUXMAN A3500.jpg高耐圧コンデンサ-は、UNICON ゴールドマーク、で、計画しています。
ダイオードは、General Semiconductor(Vishay)のUltra Fast Recoveryタイプ UF4007を使用しました。
肝心の真空管は、大昔に購入した、MATSUSHITAの6CA7を使います。6CA7アンプも数十年前に製作した経験があり、その時のストックがあります。ゲッターもしっかり残っています。
KT-88も魅力ですが、良い球の入手に金がかかりそうなので今回は、パスして、いずれチャレンジの予定です。[ハートたち(複数ハート)]
出力トランスは、過去にリケンRMG抵抗を中心に製作した6RA8アンプの、LUX OY-15-5 トランスを移植します。
配線材は、古河電工のビーメックス 耐熱ケーブル(12/0.18他)を使います。素性のわからない銅線は使いたくないことと、半田ゴテでケーブルを醜く溶かさなくする(見た目)ためです。コストを考えなければ、テフロン絶縁の銀メッキ線を使いたいところです。なお、プリアンプ/パワーアンプ間のRCAケーブルは、BELDEN 81553を使っています。このケーブルは、テフロン絶縁の銀メッキ銅線です。最近の高性能HDMIケーブルでも、銀メッキ線や銀線を使っています。


 完成すると、次のようなアンプになります。

LUXMAN A3500_6.jpg

さて、現在、所有しているパワーアンプ:
 ・Accuphase M-100 2台 (最近、オーバーホールをしました)
 ・Accuphase P-300X (最近、オーバーホールをしました)
 ・Accuphase P-266 2台 (最近、オーバーホールをしました)
 ・Luxman MQ36 OTL (最近、オーバーホールをしました)
 ・MARANTZ model 250
 ・自作 6RA8 P.P. (最近、オーバーホールをしました)

では、何故、今頃6CA7アンプかというと、”真空管アンプらしい真空管アンプ”の音が聞きたくなったためです。ここで、「らしい」とは、出力トランス付のアンプを意味してます。

[右斜め上][右斜め上][右斜め上] 製作記録 [右斜め上][右斜め上][右斜め上] 

1日目: 部品の搭載されていない、プリント基板の銅箔部が酸化しているので、台所にあるクリーム・クレンザーで磨き上げます。新品同様になります。その後、酸化防止にフラックスを塗ります。ソルダー・レジスト類は使いません(単に、マニアのこだわりです)。

2日目: すでにインターネットからダウンロードしておいた、アセンブリーマニュアルから、部品リストを作成し、発注を掛けました。部品入手まで、1~2日です。
アーレン ブラッドレー カーボン抵抗(Allen Bradley Carbon Comp Resistors)関連(バンテック)が¥4,500、ブロックコンデンサ関連(若松通商)が¥6,800、Orange Drop、マイカコンデンサ(ギャレット)が¥2,800、その他(サトー)¥2,000、かかりました。
前もって、発注しておくこともできますが、一気に材料が集まると徹夜で組み立てたくなります。仕事と趣味の違いは、スローペース。製作過程をたっぷり時間をかけて楽しみます。

3日目: 早速、部品到着。最初は、若松通商に発注した、UNICON 500V/100uFx2 ゴールドマーク 2本と、UNICON 500V/50uFx2 ゴールドマーク ブロックコンデンサーが到着しました。
若松は毎度、出荷が早いので嬉しいです。UNICONは初めて使いますが、容量を測定したところ、-1%~-2%と、電解コンデンサーとしては超正確。安心できます。
次に到着したのは、バンテックに発注した、アーレン ブラッドレー抵抗です。今回のアンプの目玉です。販売店の説明にもあるように、この抵抗は新古品(NOS:New Old Stock)のためか、抵抗値が高くなっているそうです。カラーコードでは、金帯(5%)ですが、ほとんどの抵抗は、実測値で+10%~+5%でした。逆に、220kΩは銀帯(10%)でしたが、実測+3%でした。抵抗値10%づれていても、なにも問題はないでしょうね。最近は、安くて高性能のDVMを入手できるので、すぐ測ってみたくなります。
この抵抗は、リード線が太く頼もしいのですが、LUX A3500のプリント基板の穴が小径のため、1W抵抗については、1.2mmドリルで穴径を拡大し取付けました。さらに、リード線が酸化しているので、半田の乗りが悪く、リード線を磨いてからハンダしました(いろいろと、細やかな作業が必要です)。
今回、過去に使ったことのない部品メーカーの部品を使うので、一個一個のデータを測定しています。私にとって実績があれば、必要のないことですが、真空管用の部品は、製造中止になってから久しいので、不良部品が混在している可能性も高くなります。部品検査のために測定するのも、精神衛生上、良いかもしれません。プリント基板の組み立て完了!。
久しぶりに、真空管アンプのハンダ付けをしましたが、恐ろしくハンダを消費します。KESTER 44(Sn62,Pb36,Ag02)のハンダ巻が軽くなりました。このKESTER 44は、銀2%なので 1リール454g 8,232円もします!

4日目: ギャレット(Garrettaudio)に発注していた、Orange Drop、マイカコンデンサが到着しました。実は、出荷はギャレットが一番早かったのですが、運賃節約のためクロネコメール便を指定したので、到着は一日遅れました。

5日目: サトー電気に発注していた、酸化金属皮膜抵抗や小物部品が到着しました。
あいかわらず、サトー電気は入金確認や出荷案内の連絡がなく、ひたすら待つしかありません。部品在庫が豊富で安いので、重宝はしますが!。出荷も遅いわけではありません。
これで、発注した部品はすべて到着です。

6日目: 本体の配線作業開始。まずは、ヒーター配線から。
ここで、カソード電流(プレート電流)測定のために、カソードに10Ω抵抗を付けることにしました。LUXのA3500組立説明書では、出力トランスの電圧降下で測定するようになっていますが、チョット、頼りないです。ちなみに、A3600,A3700では、10Ω抵抗の電圧降下測定です。
そこで、10Ωと中立端子(ラグ板)を追加発注。

9日目: 追加発注の部品も到着。配線も順調に進んでいます。1日2時間程度の作業に抑え、たっぷりと製作を楽しんでます。配線も、ほとんど終わり、出力トランスの移植とその配線が残るだけになりました。
ワンポイント・アクセントとして、前段の真空管のカバーに、青色LEDを付けました。電源を入れると、真空管の赤いヒーターと、青いLEDが調和してきれいに光ります(ハズ)。
さて、ここで悩みが1つ。6CA7のU.L.接続にするか、三結接続にするかです。試聴後、切換えるにしても、最初の配線は?。

アイドリング電流について: さて、U.L.にするか、三結にするかの話がでたので、ついでにアイドリング電流について。LUXのAssembly Manualの記述によると、アイドリング電流は出力トランスOY-15-5のP-B間の巻線抵抗(170Ωを想定)の電圧降下を測定し、設定することになっています。
6CA7 U.L.接続の場合、この電圧降下が7.8V~8.2V、つまり、46mA~47mAになります。
三極管接続の場合、この電圧降下が6.5V~7.0V、つまり、38mA~41mAになります。
実際に、OY-15-5 2台のP-B間の各抵抗値は、171.1Ω、176.1Ω、169.1Ω、172.8Ωでした。

配線完了: このところのくそ暑さで、重量級パワーアンプの移動が重労働なので、組立作業を中断していましたが、何とか配線作業終了。
現在は、古い真空管のエージングをしています。とりあえずは、U.L.接続、アイドリング電流は40mAにしました。6CA7の最大許容プレート損失25Wに対し、20Wなので余裕を持たしています。
発振器からのサイン波、方形波でのオシロスコープ観測も、問題なしでした。
但し、少し、残留ハム(120Hz)があったので、ヒーター回路にハムバランサーを付けました。これで、高能率スピーカーでも、残留ハムは聞こえなくなりました。(プリアンプ電源の配線は、不要なので行っていません)

[右斜め上][右斜め上][右斜め上] 完成 [右斜め上][右斜め上][右斜め上]

U.L.接続試聴: エージングもそそくさと終わらせ、試聴しました。U.L.接続です。アイドリング電流は40mAにしました。
あまり期待していなかったせいか、予想以上に高音質です。わたしが持っているCDの中で、最高の高音質で録音されている、Hybrid SACD  "グレース・マーヤ(Grace Mahya)"の"ラスト・ライブ・アット・ダグ(Last Live at DUG)"で試聴です。
まずは、S/N比が非常に良いです。でも、これはCSE アイソレーション・バランスフォーマー TX-2000XN のおかげのようです。
メインのM-100に比べると、分解能・解像度がやや少ないですが、低音のふくよかさはM-100をしのいでいて一番です。低音の好きな人には応えられないです。しかし、悪く言えば、JBLのOLYMPUS 38cmウーファーを制動しきれないとも言えますけど。ここぞとばかり、スピーカーが唸りをあげます。でも、臨場感(空気感)の表現もちゃんと出来ています。
Blu-ray Disc 「Deep Purple;"They All Came Down to Montreux: Live 2006"」の「Black Night」では、キックドラムの音と、ベースの「ブルンブルン」音をしっかり、楽しくなるぐらい、再生してくれます(強調気味?)。
出力トランス付といえども、このクラスになると十分な性能(音質)を持っていることがわかりました。
但し、バイアス電源(C電源)のデカップリングコンデンサー(C307,C308)を、ニチコンの220uF100V MUSEコンデンサーにしています。十分な検証が出来てませんが、このコンデンサーはかなり音質に影響してるようです。
三極管接続にすると内部抵抗が低くなるので、OLYMPUSを制動出来るかもしれませんね。
また仮設置なので、ちゃんとセッティングすると、さらに良くなりそうです。Allen Bradley抵抗のおかげでしょうか?!

三極管接続試聴: 今日は、三極管接続に切換え試聴しました。アイドリング電流は、35mAに設定しました。なるべく、真空管への負担を軽くするため、少なめの値です。音質は、全体に僅かですが、高域にシフト感じです。分解能も、ほんの僅か良くなった感じです。しかし、その分、低音の再生音も、おとなしくなりました。スピーカーの制動が良くなった感じです。よりHi-Fiアンプと言えそうです。

アンプに何を求めるかで異なりますが、わたしは、このアンプに関してはU.L.接続が好みです。ちょっと、荒々しい、じゃじゃ馬的なところが、M-100などのアンプにはないので気に入りました。聞いてて、楽しいアンプです。(すべて、基本性能を満足しての上で、わずかな違いの話です。)

お遊びのワンポイントBlue LEDも正解でした(グロー放電ではありません!)。LUXKITは、デザイン上アクセントが無く、真黒です。そこで、ボンネットの最下部にアルミ・フォイルテープを幅7mm程度のラインに切り、貼り付けました。アクセントになります。6CA7_LED.jpg
さらに、さらに、小型電解コンデンサーは、入手の容易な縦型を使いましたが、気に入らず、結局、日本製のチューブラ型を探し出し使用しました。しかし、縦型ならMUSEも使えるので、迷うところです。

6CA7_amp.jpg

[黒ハート]かなり、満足な結果です。[黒ハート]


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mana

いや~なつかしいですね。6CA7ですか。
大学時代6CA7のパワーアンプ作ってカラヤンよくきいてましたね~。合唱付きも好きでしたね。思い出しました。45年も前の事です。

susumu_oisoさん
私のメールアドレス覚えてますか?
分かっていたらメールください。
相談あり!!



by mana (2012-07-28 20:50) 

susumu_oiso

メールを入れました。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/susumu_oiso/ のトップページからメールを送れます。この場合は、第3者に内容を見られません。急ぎの時は、利用してみてください。
by susumu_oiso (2012-07-30 08:51) 

高根靖雄

初めまして.A3500について楽しく読ませて頂きました.私も叔父からもらったA3500を所有しております.前回大規模メンテナンスしてから10年経ったので,この冬休みにEL34,6AQ8をElectroHarmonics(ロシア管)に交換し各パーツの点検をしました.作業は無事済み,エージングは済んでいませんが立体感のある音が出ています.ただ,以前は無かったハム音が出ており悩んでいます.susumu_oisoさんはハムバランサーを付けたと記載しておりますが,具体的にどの様な回路で解決したのか教えて頂けないでしょうか?私も試してみたいと思います.何卒宜しくお願いします.
by 高根靖雄 (2018-01-12 20:34) 

susumu_oiso

こんばんは

ごく一般的なハムバランサー回路です。100Ωの半固定抵抗をヒーター回路に入れるものです。回路図を言葉で書くのは大変なので、googleで検索してみてください。なお、今回は、半固定抵抗のセンターはアースにつなぎましたが、それでもハムが取れない場合、センターに10V程度の直流電圧をかけると非常に効果が高いです。この方式もgoogle検索でヒットします。

それでは
by susumu_oiso (2018-01-13 20:39) 

高根靖雄

返信遅くなり済みません。 ご回答ありがとうございます。
A3500のトランスはセンターがあるので、ちょっと迷っていました。センター(アース)の配線を外して代わりにバランサーのセンターを接続したのでしょうか? その辺が気になっていました。susumu_oisoさんの文章からすると、もともとの回路はいじらずに並列に半固定抵抗を入れ、センターをアースに落としたようですね。(あってますか?) 来週あたりトライしたいと思います。
ありがとうございました。


by 高根靖雄 (2018-01-21 20:46) 

susumu_oiso

結論から言うと、トランスのセンターアースは外します。
A3500のトランスは、S-1757を使っています。S-1757のヒーター巻線は6.3V0.5Aと6.3V3Aと6.3V4Aがあります。
6.3V4Aの巻き線がV1,V2他のヒーター用でセンタータップがあります。このセンターアースは外します。そうしないと、バランサーをどちらかに回し切った時に、ヒーター巻線がショートすることになります。また、DC電圧をかけるのであれば、電圧がかかりません。それでは。
by susumu_oiso (2018-01-22 20:39) 

高根靖雄

回答ありがとうございます.使用トランスは同じくS-1757です.確かにおっしゃるとおりですね.センター接続をそのままにしたらVRを回しきったらショートしてしまいますね...小生,調整しやすくするために24オーム固定+50オーム半固定+24オーム固定として合計98オームの接続を考えていましたので見過ごしていました.DC印可のアドバイスもなるほどです. ありがとうございました! 
by 高根靖雄 (2018-01-25 20:20) 

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