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ナカミチ(Nakamichi) ZX-5 (BX-300) 修理 その2 [オーディオ・ビデオ]

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最近故障したカセットテープデッキの修理報告。このデッキは、これで2度目の故障修理です。
1度目の修理は、このblogで紹介しています。

今回の故障は、再生不良。テープの始めのうちは正しく再生できるのですが、数分、再生するとテープの巻取りが悪くなり、シャットダウンしてしまいます。
モータートルクが弱いため、巻取り側のリールを回せなくなるためです。

ZX-5 (ヨーロッパ名:BX-300)の前期型では、リールモーターと供給側リール、巻取り側リールへの回転伝達には、ゴムアイドラー(Idler)を使っていましたが、この後期型は改良されプラスチック・ギヤーになってます。なので、空回りはありません。モーターシャフトの回転をよく見ると、シャフトが回転しなくなり、そのため巻取りリールも回転が止まり、巻取りリール回転検出回路が停止信号を出します。

カセットテープを外して、空の状態で再生(PLAY)ボタンを押すと、正しく、再生状態になりますが、指で巻取りリールに軽く負荷をかけただけで、回転が止まってしまいます。
その間、リールモータには正常に+4Vの電圧が掛っているので、正常です。

つぎに、リールモータに1Ωの抵抗を直列に接続し、DVMで電圧降下を測ってみます。一見正常なようですが、正常電流値が不明なので、判断できません。
そこで、1Ωの抵抗にオシロスコープをつないで、電流波形を観察しました。すると、両波整流波形のように瞬間瞬間で電流が流れていません。その為、電流が流れていないときは、惰性で回転するのですが、低回転でさらにトルクがかかると惰性だけでは回転できなくなり、止まってしまいます。モーターの不良です。

すでに、純正部品(モーター)の入手は、ほぼ不可能なので、モーター自体の分解修理をしました。運がいいことに、モーターを本体(三協製ドライブ)から外すことなく、ブラシ部分だけを外すことが出来ました。モーターの後部の隙間にドライバーを差込み、だましだましこじると、ブラシの取り付いた円盤が外れます(勘合している)。
整流子(コミュテータ)を丁寧に磨きます。ブラシはデリケートなので、CAIG接点復活剤をつけました。
ブラシの取付には、治具が必要になります。治具は簡単なので自作しました。薄い真鍮板を短冊に切って、それをコ型に折り曲げ、それをブラシが広がるようにブラシ取付け円盤にセット(差し込む)し、円盤をモーター本体に差込み、その後、治具を抜きます。
モータを回転させて、電流が常に流れるように、ブラシ取付け円盤の取付位置を調整します。(モーターの回転軸を指で押さえても止まらない位置を見つけます。)

カセットテープを馬鹿にしていたのですが、思ったより高音質でした。中低音は柔らかく、高音もそれなりに出ています。録音の良し悪しもわかります。
普通は、これで十分な音質に思えます。もちろん、ここ一番の時には、不満を感じますけど。

[右斜め上] [右斜め下] 修理完了 [右斜め上] [右斜め下]

前期型のZX-5も所有しています。三協メカの構造がわかったついでに、リール用のアイドラー(Idler)タイヤ(Tire)を交換しました。
タイヤはeBayで$3.00で購入できました(NAKAMICHI SMALL RUBBER IDLER TIRE FOR SANKYO DRIVE MECHANISM)。日本製のトランジスターと同様、米国の方が部品在庫が豊富です。これも、販売済み製品の台数が多いからでしょうね。
さて、タイヤのゴムは固いので、アイドラーを取り外してから交換します。アイドラーは、小さなプラスチック(ポリプロ?)製のワッシャーを外すだけで、はずせます。やはり、アイドラーシャフトはグリス・アップしました。
プラスチック・ワッシャーを取付けるときには、手が滑るので、注意しないとバネのように飛んでいきます。すると、小さくて半透明なので、探すのが大変です。

関連記事: Nakamichi ZX-5 (BX-300) 修理

その他のオーディオシステムは、http://www001.upp.so-net.ne.jp/susumu_oiso/ 参照!


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