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FLUKE 332D DC Voltage Standard 中古購入 [アマチュア無線]

FLUKE 332D DC Voltage Standard の中古品を購入しました[るんるん]Fluke_332D_s.jpg
 
複数台のDigital Multi Meterを持っているので、その機器間の誤差(機器の確度)を調べたくなってきます。
そこで、DC Calibratorが欲しくなるのですが、精度の高いものはとてつもなく高額で、アマチュアの手に入るものではありません。
毎度おなじみのヤフオクで、中古のFLUKE 332Dを見つけました。332Dは、1970年頃製造されたものですから、正常に動作する品とは思いませんが、安いので購入しました。
332Dは、332Aの高精度品で、335Aや335DからNULL DETECTOR(電位差計/高感度電圧計)の無いものです。332D_Spec.jpg
332Dの規格(一部分)を示します。簡単に言えば、10ppmの確度です。
 
昨近の高精度のDMM機器は、内蔵マイコンでデータを補正したりするので、Fluke 5700A Multifunction Calibratorなどが無いと校正が出来ません。校正は、決められた手順で正確な信号を順々に入力しなくてはならないからです。
しかし、1970年代の機器は、回路図や取扱説明書があれば、適切な信号を適切に入力することで、必要な機能だけでも部分的に校正が出来ます。特に米国製機器には、必ずサービスマニュアル(回路図付取扱説明書)があるので、個人で修理が可能です。
部品も、よほど特殊でなければ入手可能ですが、プレミアの付いたものは高額です。
 
まずは、サービスマニュアルの入手です。ネットを検索すると、なかなか見つかりませんでしたが、なんとかきれいで無償のものを見つけました。
 
最初に気付いたのは、電源ヒューズが飛ぶことでした。115V動作の場合、3A SLOW-BLOWが指定されていますが、1Aのノーマルブローが入っていました。正しいヒューズに交換しました。
 
次に、出力電圧の確度が悪いことでした。10.000000Vの設定で、9.9921Vの出力でした。これは、内部基準電源(+15V)の安定度が悪いことが原因でした。取扱説明書によると、15V±10μVです。この基準電圧はオーブン入りのツェーナーダイオードから作られますが、このオーブンが冷たくなっています。
オーブン・ヒーター用の電源(+23V)のLM723が故障でした。LM723を交換し、発振防止用にデカップリングコンデンサー(1μF)を取付け修理を完了(958KHz,2Vの発振)。ばっちり安定しました。オーブンのケース温度(外側)も60℃程度に上がりました。
 
次に、出力電圧の確度と安定度が悪いことでした。10.000000Vの設定で、1mVほども変動します。
また、STDBY/RESETから、OPRに切り替えても、出力が出ないときが、たまにあります。
これは、複数の小型電解コンデンサー20μF 50Vの容量抜けでした。他にも、50μF 50Vの容量抜けがありました。
古い機器の小型電解コンデンサーの容量抜けは、よくあることなので、不具合がある時は、LCRメーターで容量抜けをチェックします。手っ取り早く問題を解消できます。また、予防処置にもなります。
これらのコンデンサーを交換後、ばっちり安定しました。さすがFluke、製造50年後でもしっかり安定しています。
 
ここで困ったのは、出力電圧の確度です。10ppm以上の高確度電圧源か、DMMが必要です。
やむを得ず、AD586,AD587の精密DC電圧電源ICの出力などを目安にしました。
不十分ですが、校正試験データ付きのAD587JQが入手できました。10.0030V(試験確度±0.005%=50ppm)です。
eBayの出品物には、+-0.0002%(2ppm)や6ppmの高精度電圧源(DC Prec. Voltage Reference Standard)がありますが、米国からの長距離輸送を考えると、購入は2の足を踏んでしまいます。
先日、ヤフオクにKeithley 2002 8.5桁高性能デジタル・マルチメータが出品されたのですが、高価なので手が出ませんでした

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