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Technics(テクニクス) 20A 真空管ステレオパワーアンプを購入 [オーディオ・ビデオ]

Technics(テクニクス) EAA-2007 (SU-2007/20A) 真空管OTLステレオパワーアンプの中古品を購入しました。[るんるん]IMG_0642mod.jpg
 
地元の国府祭の最中にもかかわらず、くたくたの体に鞭を打ち、Technics 20Aをヤフオクで落札しました。
開始時の価格が50,000 円と安いので、チャンスとばかりに応札しましたが、結果はかなり高額(開始時の価格の2倍以上)での落札になりました。
さらに嬉しいことに、連休中というのに入荷したので、オーバーホールもしました。
1966年製の古いものですが、オーバーホールと言うより、大掃除ですみました。(ちなみに、LUX MQ36も同い年です。)喫茶店の煙草の紫煙の中で使われていたのか、ほこりと多分ニコチンでべたべたでした。でも、不思議なことに強制空冷ファンが付いている割には、シャーシーの中は綺麗です。
それと、ACケーブルクランプのプラスチック・ブッシュが溶けて流れているのですが、他の部分が熱で侵されている様子もありません。IMG_0640mod.jpg
強制空冷用ファンの防振ゴムも溶けていました。真空管のゲッターは新品同様。
不思議なことばかり。
(使われないまま、ほこりと煙ををかぶっていた??。)
 
カップリングコンデンサー
さらに、アンプの重量が23.5kg!。持ち上げることが出来ません。
悩むのは、カップリング用のコンデンサーをオレンジドロップに替えるか?音は良くなりますが、テクニクスの音ではなく、オレンジドロップの音になります(好みですが!邪道でしょうか?)。
Orange_cap.jpgしかし、すでにオリジナルの松下製オイルコンデンサーCPTNN-Dから、日通工(NTK)のフィルムコンデンサーに交換されていました。なので、もはや、オリジナルの音ではありません。
そこで、オレンジドロップに交換しました。しかし、情報量も多くなりましたが、オレンジドロップの特徴である高域の美しさが無くなっています。かなり、がっかりです。オレンジドロップの外観(断面)が、円筒型から、小判型に変わったことで、音質も変わってしまったようです(製造方法の変更?)。
そこで、思い切って、非常に高価な、東一電機 T-CAP[Cu] 銅箔巻きフィルムコンデンサに交換しました。
これは、素晴らしく高音質です。情報量も多く、高域の抜けも良く最良のコンデンサーです。しかし、高価で0.5uF 630V 単価 3,805円+税もします。Orange Drop 716P だと、0.22uF 600V 単価 577円+税が2個です。IMG_0668_m.jpg
OTLアンプなので、出力トランスには金がかからないので、コンデンサーに奮発するのも良いでしょう。
≪なお、わたしはオイルコンデンサーが嫌いです。音は良くても、長時間(10年、20年以上)使用すると、絶縁オイルが蒸発し、絶縁不良が発生します。絶縁不良は真空管のグリット電圧を上げ、プレートを赤熱します。ハーメチックシールのオイルコンなら、オイルの蒸発は少ないのですが、非常に高価です。でも、オリジナルの松下製オイルコンデンサーCPTNN-Dの音を聞いてみたくなりましたが、入手は困難でしょう。≫
さらに、音質に強い影響を与えるのが、フィードバック抵抗(負帰還抵抗)R67 F 10kです。DaleのRN60が好みですが、オリジナルの音質と変わってしまいそうです。ここは、我慢の子になりました。
 
強制空冷ファン(1)
強制空冷ファンの防振ゴムを交換するのには、ファンを外す必要があります。ファンは、L型アングルにとりついているのですが、このL型アングルを取り付けているネジは、ビスとナットで固定されています。ナットを外すと、ビスも外れますが、このビスは大型トランスケースの中に落ちます。このビスとナットを締めるには、このケースを開けなければなりませんが、いったいどのネジを外せばよいのか分かりません。
結果的には、4本のビス(ナットを外す必要なし)を外せば済むとわかるまでには何本のネジを外したことでしょうか?。ネジを外すのには、中立端子を外す必要もあり、大作業になりました(写真参照)。現在では、タッピングビスを使うところ、ビスとナットで固定しているので修理は大変な作業です。しかも、23kgの鉄のかたまり。IMG_0648_mod.jpg
そう言えば、以前、ESOTERIC UX-3 のゴムベルトを交換したことがありましたが、UX-3の質量は、約23.8kgで、一人で運べる限界でした。
ファン取付用の防振ゴムは、ainex MA-029 防振シリコンゴムワッシャーを使いました。このワッシャーは、パソコンのハードディスクの取付に使うものですが、あまり効果がありませんでした(ファンの振動が大きすぎるため)。
そこで、タイカ A-1 防振材ゲルブッシュを使いました。非常に効果があるのですが、非常に柔らかいことと、荷重がブッシュの横方向にかかることで、長期的に安定するのか不安のあるところです。また、値段も非常に高いです。ファンをパソコン用に交換するほうが良いのですが、あくまでオリジナルにこだわってのことです。
  
不具合修理
少し時間が取れるようになったので、試聴をしました。
なんと、L-ch.からハム音。R-ch.からは盛大なシー音とアッテネータからクリックノイズ音。いずれも、オシロでは観測できなかったノイズです。我が家のスピーカー・システムは、JBLの大型ホーンの為、効率が良い分ノイズにも敏感です。
但し、ハム音は30分程度で完全に自然消滅(?)。シー音も、かなり減りました。
普段は、Accuphase P-1000で聞いているのですが、それに比べると中高音部のピアノが迫力あります。ウッドベースのピチカートも素晴らしいです。
分解能はAccu.の勝。でも、20Aは聞いていて楽しいです。Jazz Pianoの再生は、20Aの勝。Swing Jazzに相性が良いようです。
当面は、Technicsを愛用しそうです。
温度分布.jpg
(不具合を修理してから、再度、試聴しますが、23kgの鉄のかたまりを動かすのが大変!。)
(さらに、真空管保護用ボンネットが、熱くて触れません。測定してみたら、ボンネットのサイド部は62.4℃でした。真空管交換もボンネットが冷めてから。)
 
シー音とクリックノイズの原因は、初段の真空管6267の不良でした。オリジナルにこだわって松下製にしました。新品同様のメッシュ・シールドものが入手できました。ここで気付いたのですが、オリジナルの真空管は、「ナショナル」マーク(写真)。nationalロゴ.png
購入したものは、ご存知の△三松葉マークです。
電解コンデンサーの容量抜けが気になるところなので、LCメーターで測定しました。すべて、ほぼ定格値を示しました。新品の電解コンは定格よりも大きい値を示すので、減少気味ですが、まだ使えそうです。さすが、松下製、シールがしっかりしているので、電解液の蒸発が少ないようです。
さて、その後、ハム音は出っぱなしになり、入力した音も出なくなりました。原因は、R26 10kΩに接続されている配線の半田付け不良でした。配線を力を入れて引っ張ると、抜けてしまいました。間欠症状と、理由が合います。再ハンダで修理完了。部品配置図が無いので、抵抗のある場所が分からず、手こずりました。
 
旧JISネジIMG_0646_mod.jpg
もう1つ驚いたのは、ネジ。旧JISネジを使っています。防振ゴムの取付で、純正ネジより5mm長いネジが必要になったため、ISOネジを使おうとしたところ、ピッチが合いません。
 ISOねじの導入によって、旧JISが廃止されたのは1968年です。旧JISとの識別のため、ISOピッチのものは頭部に・マークを付けていましたが、現在ではそれもありません。
それもそのはず、1966年に「 Technics 20A」が発表されています。しかし、我が家に旧JISネジがありました。何度も捨てようと思っていたのですが、……。
なお、旧JISと現行JIS(ISOねじ)のねじピッチ(mm)の違いは次の通りです。
      旧JIS  現行JIS(ISO)mm
 M3・・・  0.6     0.5
 M4・・・  0.75     0.7
 M5・・・  0.9     0.8
 
パイロットランプ
パイロットランプが、あまりに明るすぎるので、直列に22Ωの抵抗を付けました。とくに、プロジェクターを使うときは、部屋を暗くするので気になります。
 
強制空冷用ファンの交換(2)
強制空冷用のファンの騒音ですが、気になり出すと無視できなくなりました。そこで、オリジナルにこだわるのはやめ、ファンを交換しました。Pana_fan.jpg
DCファンだと、パソコンで使われているので、いろいろな種類があります。しかし、DC電源を用意しなければなりません。それも、アンプの中にスイッチング電源を入れたくないので、トランス式の電源が必要です。もはや、トランスを入れるスペースはありません。
そこで、ACファンを採用しました。非常に種類が少ないので苦労しましたが、PanasonicのASEN60511型60mm角ファンを見つけました。ACファンはモータ部が大きいので、60mm角だと羽根が小さくなります。アンプがTechnics(Panasonic)なので、純正風(?)です。
Technics 20Aオリジナルのファンは、2.2m/Secの風速ですが、このASENは2.0m/Secなので、やや風量が不足します。そこで、2重連・直列運転にしました。もちろん、並列運転のほうが、風量を大きくできるのですが、スペースも少なく、取付も複雑になりそうなので、あきらめました。それでも、直列運転で、2.4m/Secの風圧を得ることが出来ました。騒音も非常に小さく、ベアリングのシャーという音がわずかに聞こえるだけです。回転数も2000rpmなので、低騒音を維持できてます。(手持ちの測定器が風速を測定するものなで、風速で表示しました。風量Q(m3/h)は通過風速V(m/s)と通過面積A(m2)の乗数だそうです。ここで、通過面積は38mmΦの3.14倍。)
取付は、2mm厚と3mm厚のクロロプレンゴム(CR)スポンジでシャーシーに押し込むように、挟み込みました。ただし、トランス取り付けナットが邪魔になるので、5mmΦの皿ネジに交換し、上下を逆に取り付けました(ファンがぶつかる部分を皿ビスにする。シャーシーも皿ネジ用に座ぐります。)。IMG_0637.jpg
最終的には、ファンの回転数とTechnics 20Aのシャーシーの固有振動数が一致するのか、ファン騒音がします。しかし、スペースがないのでこれ以上の対策は出来そうもありません。
(シャーシーの固有振動数を避けるために、ACファンの回転数を変えるには、電圧を下げるしかありませんが、その場合、風量が少なくなります。そこで、パソコン用のDCファンの使用を検討しています。DCファンは、モーター部が小さくなるので、羽根を大きく出来、回転数も高いので、その為、風量が大きいです。ainexのHDC-350B-BLは、50mmファンですが、8.59CFMの風量です。よって、このファンを使用し、電圧を調整することで回転数を変化させ、シャーシーの固有振動数を避ける計画です。ファン径も小さいので、防振材もふんだんに使えます。欠点は、DC電源を用意しなければならないことです。)
その後、60mm DCファンのAINEX OMEGA TYPHOON 薄型・究極静音タイプ [ 60mm角 ] CFZ-6010LAを購入、取り付けました。
取付後のファンの電流と風速(風量)は、次のようになりました。
 12V電源の時 0.10A 2.7m/sec
 10V電源の時 0.08A 2.4m/sec
  9V電源の時 0.07A 2.3m/sec
 7.7V電源の時 0.06A 2.0m/sec
 (参考:12V電源でファン取付前単体 0.1A 3.1m/sec)
なお。オリジナルのファンでは、2.2m/secです。よって、ノイズの少ない9Vで使用しました。
DC電源も、小型トランスとダイオード、コンデンサーで製作し、組み込みました(ファンが薄いので、組み込みスペースも確保できました)。低騒音ファンで軽量なので、取付は防振材を使わずに、厚手の両面テープで接着しました。
 
PanasonicのACファン交換作業中に、R65 1.5k 4Wを壊してしまい交換しました。作業中にこの抵抗の上にファンを置いたら、重さで抵抗のリードが曲がり、隣のGND端子にショートしました。その後、気付かずに電気を入れたら焼き切れました。どうせならと、OHMITE巻線抵抗10W 1.5kを奢りました。
 
整流ダイオード交換
 整流ダイオード12本x2ch. をSW-05B から UF4007 Fast Recovery Diode に交換しました。R-ch_8ohm_UF4007.gif
ウォーミングアップ後の、出力のドリフトも再度測定しました。L-ch、R-chともに同じような結果です。これは、20Aの規格内なのかは不明ですが、LUX MQ36とも似たような特性なので、良しとしました。もちろん、パネルにあるメーター上の読みでも"0"です。
ところで、交換した整流ダイオードをチェックしたところ、うち1本が断線していました。これが原因でトランスが音を出していたようにも思えます。騒音は空冷ファンが原因ではなかったようにも思えます???。
 
真空管 6267交換
 その後、問題なく使っていたのですが、購入直後に交換したR-chの松下製6267が、僅かですがノイズを発生するようになりました。
そこで、予備のTELEFUNKEN 6267に交換しました。音色を統一するために、L、Rチャンネルとも交換。TELEFUNKENの音質、なかなか良いです。
真空管交換中に、パイロットランプが点滅しました。そのうち、Lチャンネルの6267のヒーターも切れました。原因は6267のヒーター配線(pin5)の半田不良でした。(oct.2018)
 
プラスチック・ラッチ交換キタコ(KITACO) ニフラッチ.jpg
 オフセット調整用のボリュームをカバーしている薄いパネルを固定している、プラスチック製のラッチが割れてしまいました。そこで、色々調べたところ、「キタコ(KITACO) ニフラッチ(φ8/ホンダタイプA) 汎用 3個入り K-CON 0900-005-03010」が使えそうなので購入しました。寸法が、わずかに異なるせいで、取り付けはかなり力を込めて押し込みました。微妙に隙間があるようですが、問題なく使えます。
「タキゲン ナイラッチ 頭部形状:ミニ CP-522-2-5」もほぼ同様の寸法ですが、こちらのほうが良いのかもしれません。(Aug.2019)
その後、CP-522-2-5をMonotaroで購入、取り付けました。寸法的にぴったりで、結局、ナイラッチが最適でした(Jan.2020)。
 ナイラッチ_CP522-2-5.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それにしても、真空管の林立は圧巻。
LUXMAN MQ36 同様、すばらしい景色です。
 
 
交換部品(作業):
 [クラブ]真空管 V1 6267 2本
 [ハート]ゴム足 32mm丸 →光 G-32 ゴム底脚 32mm丸
 [スペード]ファン取付用の防振ゴム →ainex MA-029 防振シリコンゴムワッシャー 2set →タイカ Taica A-1 防振材ゲルブッシュ
 [ダイヤ]ACケーブルのブッシュ →アメリカン電機 BN8S(内径:8mm)
 [クラブ]押しボタンスイッチ(バランス)のツマミ→ ヤフオクでデザインの似ているつまみを購入(2個)
 [ハート](バイアス調整作業)
 [スペード]強制空冷ファン → 注油 → Panasonic ASEN60511型60mmファン(2台) → AINEX CFZ-6010LA 60mm角ファン
 [ダイヤ]スペア真空管 Panasonic 50HB26 2本, TELEFUNKEN 6267(EF86) 4本 入手
 [クラブ]整流ダイオード SW-05B 24本→ UF4007 Fast Recovery Diode に交換
 [失恋]オレンジドロップ・コンデンサー
 [黒ハート]東一電機 T-CAP[Cu] ・コンデンサー(但し、.01uF→.05uF)
 [揺れるハート]OHMITE巻線抵抗10W 1.5k
 [ひらめき]タギゲン ナイラッチ CP-522-2-5 Black
 

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